相続税対策に年間110万円という贈与税の非課税を活用することは得策?

2019年3月29日
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相続税を回避するため、年間110万円以内という生前贈与の非課税枠を活用する方法を検討する方もいるようです。しかし本当に生前贈与の非課税枠を使った方法は相続税対策に繋がるのでしょうか。

そこで、贈与税の非課税枠を活用した相続税対策が本当に有効なのか確認しておきましょう。

生きている間に財産を渡せば節税につながる?

亡くなってから相続人に財産を渡せば、財産の金額によって相続税の課税対象となってしまいます。そこで、相続税を回避するために、生きている間に財産を譲り渡す贈与によって残す財産を減らせばよいのでは?と考える方もいるでしょう。

贈与を行えば今度は贈与税の課税対象となりますが、贈与税は1月1日から12月31日までに譲り渡された財産の総額が110万円以内であれば課税されません。

この非課税となる金額の範囲内で贈与を毎年行えば、贈与税は課税されない状態で財産を譲り渡すことができることになります。

贈与税は贈与する側ではなく、贈与される側一人に対し年間110万円の基礎控除額が設定されますので、財産が多い場合には複数の子などに定期的に贈与していけば贈与税はかからなくなると考えられるでしょう。

非課税にならない場合もある?

ただ、非課税となく基礎控除額110万円の範囲で毎年継続して贈与を続ける場合、毎年決まった時期に同じ金額を贈与し続けることで、まとまった資金の贈与を分けただけと判断されることになり、多額の贈与税が課せられることがあります。

そこで、贈与の非課税を生かすために、贈与契約書を作成する、または110万円以上の贈与を行い贈与税の申告書を作成して贈与があった証拠を残すといったことも併せて行う方法を取りましょう。

受贈者が贈与の事実を知らないのは問題

なお、親から子に贈与する場合、財産を受け取った側が贈与があった事実に気がついていない場合は問題です。

贈与は受けた側がその事実を認識していなければならないため、たとえば親が子ども名義の通帳に110万円の範囲で贈与して入金してしても、子どもがその事実を知り贈与と認識していなければ、単に親が自分の財産を子供の名義の口座に預金をしているだけと判断される可能性があります。

□通帳の印鑑にも注意

もし子どもの預金通帳に贈与として金銭を入金するのなら、贈与として証明するためにも子どもの通帳に親の印鑑で登録を行わず、子ども自身の印鑑で届け出を行うようにしましょう。

親の印鑑で子どもの通帳を作成しても、単に親が自由に使える通帳に入金しているだけだと捉えられれば、贈与とみなされなくなってしまいます。

贈与税で相続税対策を講じるのなら

もともと非課税となる贈与税の基礎控除額を活用した相続税対策は、当初から多額の金銭を贈与させることを目的としていると判断されがちです。

そこで、後で多額の贈与税が発生してしまわないためにも、専門家などに相談しながら安易に毎年110万円以内で贈与を継続させるのではない方法を用いることを検討しましょう。