同族会社と社長間でおきる土地や建物など不動産取引での税務問題とは?

2018年5月17日
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会社の社長や親族などが必要以上に報酬や給料などを受取った場合や、本来は個人で負担しなければならない支出を会社が負担したという場合、会社と社長間で通常とは異なった金額での不動産の売買があったという場合など、税務上の扱いでは社長や親族などに利益を与えたと判断されることがあります。

そのため、社長や親族、それと同族会社との取引は、税務上でのトラブルが起きやすいと言えますので注意しましょう。

社宅を安く社長が借りている場合は?

例えば会社の社宅を社長に対して相場より安く貸しているという場合はどうでしょう。会社が社宅に住んでいる役員から少なく家賃を受取っている場合など、実際支払っている家賃と通常の家賃との差額を役員に対して給与として支給していると判断できます。

ここでの通常の家賃とは、社宅の規模に応じて、次の算式のいずれかで計算した金額をあてはめて考えてください。

なお、床面積が240㎡を超える場合や、240㎡以下でも茶室やプールといった嗜好が反映された設備のある社宅の場合には、豪華役員社宅とみなされますので、下記の算式ではなく住宅の利用について通常支払うべき使用料を適正に判断することになります。

●一般住宅の通常の家賃
・その年度の建物の固定資産税課税標準額×12%(木造以外の建物は10%×1/12)
・その年度の敷地の固定資産税課税標準額×6%×1/12

●小規模住宅等の通常の家賃(小規模住宅等とは建物の床面積が132㎡(木造家屋99㎡)以下のもの)

・その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%+12円×家屋の総床面積(㎡)÷3.3㎡
・その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

会社から社長へ安く不動産を譲渡した場合は?

では会社の不動産を社長に対して時価より安く売却したという場合はどうでしょうか。

例えば時価2億円、帳簿価額7千万円の不動産について、時価ではなく帳簿価額で会社から社長に売却したとします。しかし、例え時価よりも安く譲渡したとしても、不動産を時価で譲渡したものとみなされ課税されることになります。

税務上の取扱いとしては、社長が取得した不動産の時価は2億円ですので、会社と社長間で売価2億円の不動産売買を行ったものとみなし、法人税の計算上でも売却益は「2億円-7千万円=1億3千万円」あったとされます。

得をしようとしても税金が増える可能性が高いことに注意!

社長には1億3千万円、会社からの役員給与として支払われたとみなされ、法人税の計算においても役員給与は損金不算入ですので譲渡益1億3千万円分の所得が追加として発生すると考えておきましょう。また、会社側は役員給与となる分に対する所得税の源泉徴収も必要です。