相続権を取得する配偶者の要件に事実婚は含まれていない?

2018年5月10日
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事情があって入籍できない、または入籍することは望んでいないけれど、実際には一緒に生活をしている内縁関係の夫婦もいます。

例えば婚姻届は提出せずに婚姻関係のない事実婚状態の夫婦において、相続が発生した場合には内縁の夫や妻が相続権を得ることはできるのでしょうか。

相続権を取得する対象となる人とは?

相続権を得ることができる対象となるのは、配偶者、子、直系尊属(親や祖父母)、兄弟姉妹です。

配偶者がいれば必ず相続人となり、あとは相続の順位に従って相続人が決定するわけですが、特に配偶者は夫婦の片方が亡くなると生活にたちまち影響することが予測されるため強く保護されている状態であると考えられるでしょう。亡くなった配偶者と共に財産形成に貢献していると考えられていることもその理由です。

内縁の夫や妻も配偶者として認められる?

内縁の夫や妻など、事実婚であっても財産形成に貢献している、さらに片方が亡くなると生活に影響することは同じです。

しかし民法で定められている配偶者の要件は法律上の婚姻関係にある配偶者であることが必要だということに注意してください。法律上の婚姻関係とは、つまり婚姻届を提出している夫婦であることが必要ということになります。

実際は夫婦として生活していたとしても、内縁関係であれば法律上の配偶者とみなされませんので相続権を得ることができる配偶者には該当しないということです。

特別縁故者なら相続権を得ることができる?

ただし内縁関係の夫婦でも、特別縁故者と認められれば相続権を得ることができる場合があります。

特別縁故者は、亡くなった人(被相続人)と生計を共にしていたこと、被相続人の療養看護に努めたこと、その他被相続人と特別の縁故があったことが家庭裁判所に認められれば該当します。

・相続人が存在する時には申立てできない

申立てを行い、認められれば財産の全部または一部を取得することが可能です。ただし特別縁故者として申立てができるのは相続人が存在しないケースのみです。相続人がいる場合には申立てを行うことはできません。

・その他様々な制限などがある点に注意

申立てが可能な期間にも制限があり、さらに行ったとしても財産を取得するまで時間がかかります。さらに、申立てを行えば必ず特別縁故者として認められるわけでもありませんので、その点は理解しておきましょう。

遺言書を作成することが望ましい

もし内縁の夫や妻に財産を相続することを希望するのなら、遺言書を作成しておくといった対策が必要になります。

相続人が存在していることで遺留分を請求される問題があったとしても、財産を全く相続できなくなるよりは得策です。

なお、内縁関係であっても遺族年金の請求は可能です。ただしこちらも日本年金機構が事実婚関係にあったのか、生計同一関係であったと言えるかなどを審査して決定します。いくら内縁関係だと主張しても、立証できなければ内縁関係と認めてもらえないケースもありますので注意してください。