所有者が亡くなっている不動産の相続登記と抵当権抹消を行うタイミングとは?

2018年4月17日
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抵当権とは、住宅ローンなどで融資を受けた際、購入する家や土地などを担保として金融機関が確保しておく権利です。そのため、もし住宅ローンなどの返済が行われなくなった場合には、担保にしていた家や土地は銀行が取り上げることになると考えて良いでしょう。
家や土地など不動産に抵当権が設定されていても、債務が完済されればその抵当権を抹消することができます。
では不動産に設定された抵当権を抹消する登記を必要だけれど、既に不動産の所有者が亡くなっていた場合にはどのような手続きが必要になるのでしょうか。

債務が完済されたのはいつ?

亡くなった人が所有していた不動産に抵当権が設定されている場合において、抵当権を抹消する手続きを誰が登記の権利者となって行うかは、抵当権抹消の理由である債務の完済が亡くなる前か後かで異なります。

・相続開始後にローンを完済した場合
住宅ローンの債務者がローン完済前に亡くなっている場合でも、団体信用生命保険に加入していればその保険金で住宅ローンは完済されることになります。
そうなるとローンが完済されたのは相続が開始した後になるので、抵当権抹消登記を行う登記権利者は相続人です。
流れとしては、まず亡くなった人(被相続人)から相続人に対して不動産の所有権を移転する登記を行い、次に所有者となった相続人が登記権利者となって抵当権抹消登記を行うことになります。

・相続開始前に抵当権が消滅している場合
被相続人が亡くなる前にローンを完済していたけれど、抵当権抹消登記を行う前に亡くなった場合には、被相続人名義で抵当権抹消登記を行うことができます。
この場合、相続人のうちいずれかの人が登記権利者として抵当権抹消登記を行いますが、相続開始の事実を証明するため、被相続人の戸籍(除籍)謄本や登記を申請する相続人の戸籍謄本などの添付が必要です。

なるべく円滑に手続きを進めるために

例えば複数相続人がいて、遺産分割協議に時間が掛かりそうだけれど不動産の抵当権抹消登記がまだできていないという場合、相続登記の前に抵当権抹消登記だけを行うこともできるケースがあるということです。
ただし相続で所有権移転登記を行った後に抵当権抹消登記を行うなら、相続登記で登記名義人になった相続人が登記権利者となり登記申請を行うことができます。
そのためわざわざ被相続人名義のままで抵当権抹消登記を行わなくても、相続登記と抵当権抹消登記を同時に連件申請すれば手間が掛かりませんので、そのような手続き方法があることも知っておくと良いでしょう。