不要な土地や建物の所有権は放棄することができる?

2018年4月11日
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空き家や空き地が増えることが問題視されていますが、実際のところ、相続などで空き家の持ち主となったけれど、家を所有し続けること事態が負担になっているケースも多々あります。いっそのこと、所有権を放棄したいと考える人もいるようですが、不要な不動産は所有権を放棄することができるのでしょうか。

民法ではどのような規定になっている?

不動産の所有権放棄が可能かどうかについて、明確な規定や判例がありません。学説も定まっていないことから、管理されない空き家はますます増えると考えられています。
民法には、239条に「所有者のない不動産は国庫に帰属する」といった規定がされていますが、所有権の放棄が認められたとしたら国が所有することになります。
不動産の所有権放棄を明確に禁止する規定がないのなら放棄は可能と考える説もあります。
ではどのような条件なら可能なのか、その時の手続きはどうすれば良いのでしょう。

所有権放棄という登記は存在しない

手続きは民法176条に「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」と規定があるため、意思表示を行えば可能と判断もできます。
仮に所有権の放棄はできると考えることができたとしても、例えば倒壊する危険がある不動産で、解体や修繕といった管理責任から逃れる目的なら認められない可能性があります。
しかし国が保有することで何らかの価値を見出すことができる空き家であれば、認められる可能性はあると考えられるでしょう。
しかし現状では基本的に国は寄付であっても受付けていませんし、登記で所有権放棄の手続きも存在していないのです。

不動産を相続放棄することは可能!

所有権の放棄はしたくても登記の手段が存在しないのでできませんが、空き家を相続する時に相続放棄すれば国に引取ってもらうことはできます。
ただし相続放棄を行う場合には、いらない空き家だけでなく遺産全てを放棄することになります。
全ての相続人が相続放棄し、相続人不存在となれば自治体などで選任された相続財産管理人が換価し、残余があれば国庫に納付するという流れです。
ただし注意したいのは、相続財産管理人の選任には費用が掛かるということ、また、相続財産管理人が選任されるまでの期間は相続人に管理責任は残るということは知っておきましょう。

所有権を放棄するタイミングは相続の時

相続放棄を行って、相続財産管理人が専任されれば空き家の管理責任からは免れることができますし、固定資産税の支払い義務も負いません。
しかし相続財産管理人を選任する費用の負担、さらに専任されるまでの管理責任は負う必要がありますので、放棄したからもう自分には関係ないと言うことにならない点は理解しておく必要があります。