相続税の債務控除で対象となる債務とそうでない債務とは?

2018年2月6日
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人が亡くなった時、残された財産を相続すると一定の税率を乗じた相続税を納税する必要があります。
財産に含まれるものとして、現金、預金、有価証券、土地、建物といったプラスの財産はもちろんのこと、もしも亡くなった人が借金をしていて残債がある場合や、未払金などマイナスの財産も含まれます。
ただし相続税では、プラスの財産からマイナスの財産分を差し引くことができるようになっていて、この仕組みを「債務控除」といいます。そのため債務控除により財産を圧縮することできれば、相続税の節税に繋がると言えるでしょう。

債務控除の対象になる債務とは?

債務控除で対象に債務とは、亡くなった人の債務で亡くなった時に存在し、確実であると認められるものと相続税法で記されています。
ようするに亡くなった人の負債で、亡くなった後、支払いが確定しているものということになります。具体低には次のようなものが債務控除の対象になる債務として挙げられます。
・銀行など金融機関からの借入金
・個人などからの借入金
・亡くなった後で支払う所得税、住民税、固定資産税など税金類
・病院に対してまだ支払っていない医療費
・水道光熱費や電話代などの公共料金のうち、亡くなった人が使用していた期間の未払い分
・賃貸不動産のテナントから預かっている敷金
・買掛金など、事業の未払金

債務控除の対象とならない債務

ただし、次のような債務は債務控除の対象にはなりません。
・団体信用生命保険で補てんされる住宅ローン
・墓地や仏壇など相続税がかからない非課税財産の未払金
・保証債務
さらに亡くなった後で生じる次のような費用についても対象外です。
・相続財産の名義を変更するために必要な登録免許税や司法書士報酬といった費用
・相続税申告に支払う税理士への報酬
・遺産分割交渉の際に支払う弁護士への報酬
・戸籍謄本など、身分関係書類の取得費用
・信託銀行などに支払う遺言執行報酬

保証債務の扱いには注意を

亡くなった親が他人の借入金の保証人になっていた場合、保証債務は債務控除の対象になりません。保証債務は保証債務を実際に行い、肩代わりした債務分を債務者本人に請求することで補てんされる性質のものであり、確実な債務だとは言えないからです。
ただし、お金を借りている債務者が弁済不能状態に陥っていて、その債務を保証人が肩代わりする必要があり、さらに債務者にその分を請求しても弁済される見込みがない場合は、弁済不能部分の金額を債務控除の対象にすることができます。

どのような財産があるか把握することが重要

相続したプラスの財産から差し引くことができるマイナスの財産が多ければ、その分、相続税の節税対策になります。どのような財産があるのかを洗い出し、正しく申告を行うようにしましょう。