相続不動産の評価方法

2017年10月16日
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遺産分割の際に、不動産をどうやって評価したらよいか?
相続財産の中に不動産がある場合、遺産を各相続人の具体的相続分に応じて公平に分配するためには、その前提として、相続不動産の価値を評価する必要があります。


相続財産の中でも、不動産は極めて高額であり、かつ一つとして同じものはなく、個別性が非常に強いため、遺産を分けるに際して、相続不動産の評価をめぐる争いが発生するケースも多く見受けられます。
そのため、相続不動産の価値をどう評価するかは、遺産分割をするうえで最も重要な部分であり、その評価には最大の注意を払う必要があります。
遺産分割をするうえでの、不動産の価格は「時価」、評価の時点は、「遺産分割時」です。
なお、特別受益や寄与分が問題となる事案においては、「相続開始時」が基準となりますので、その際は、相続開始時の評価も必要となります。

不動産の鑑定評価業務について

不動産の鑑定評価とは、不動産(土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利をいう)の経済価値を判定し、その結果を価格に表示することをいいますが、当該業務を業として行うことができるのは、不動産鑑定業者の登録を受けた者(不動産鑑定士)に限られま
す。
不動産の価値について争い(裁判)となった場合、最終的には、不動産鑑定士による鑑定評価に基づき判断されることになります。
よって、適正妥当な価格に基づいて分割等をされたい場合は、裁判に至らない場合においても不動産鑑定士への評価依頼を検討されるこ
とをお勧めします。

相続不動産の評価方法

分割の前提となる不動産価格をいくらとするかは、上記の査定結果や、各相続人の諸事情等をもとに、原則として相続人全員による話し合い(分割協議)で決めることになります。
仮に協議がまとまらない場合、最終的には、家庭裁判所による審判で決めることになります。
以下に、主に不動産売却の際の価格査定に使用する「財団法人不動産流通近代化センターの策定した価格査定マニュアル」による価格査定の手順をご紹介いたします。

1.相続不動産が存する地域における成約事例の中から、できるだけ近くにあり、周辺環境・地形・地積等が似ており、かつ売り急ぎなどの個別的要因ができるだけない事例を「事例地」として選びます。

2.事例地の1㎡あたりの単価を算出します。

3.事例地と査定地のそれぞれの優劣を比較し、それぞれの点数(評点)を求めます。
(1)「最寄駅への所要時間」による評価点(1分80m換算)
(2)「土地・建物の前面道路の方位」による評価点
(3)「土地・建物の前面道路の幅員」による評評価点の例
(4)「土地のかたち」による評価点
(5)「道路に対する土地の長さ(間口)」による評価点
(6)「排水施設の種類」による評価点
(7)「周辺道路の整備等の状況」による評価点
(8)「周辺の騒音・振動」による評価点
(9)「日照・採光」の程度による評価点
(10)「眺望・景観」による評価点

その他の査定項目としては、ガス施設、水道設備、ゴミ処理場や葬儀場・暴力団事務所・墓地等嫌悪施設の有無、隣接地の利用状況、土地計画道路予定地、路地状敷地、崖地、高圧線、土地の高低差、土壌汚染などがあります。

4相続不動産の査定価格を算出します。
最終的な価格を算出する際には、事例地が売却された時期と査定時の時差の時点調整や、査定地の規模・価格・査定時点の経済情勢などから、査定地が「売りやすい・売りにくい」などの市場流通性を反映させて調整します。